ヨセミテにっき3

7/25
朝4時に起床、暗がりの中、エルキャプの基部のパーキングへ車を走らせる。いよいよか。荷物の最終確認をして、出発!取り付きには6時ころ着き、長い長いユマーリングの開始だ。上を見るとコリアンのものと思われるポーターレッジがシックルレッジのすぐ右上にあるのを発見。「まだあそこ?!」と僕らはコリアンの遅さに愕然とした。ザイル4本分200mをユマーリングし終え、荷物を整理し、登攀開始。やるぞコラ!
5P目:高橋
Ⅳ級の登り
6P目:高橋
シックルレッジのシックル(鎌)の先端まで
7P目:赤澤
ビレイ点からいきなり振り子。右のクラックに飛び移る。その後、Dolt Holeと呼ばれる穴倉みたいなところまで。

コリアン達は結局敗退するらしく、ここの支点からラッペルしており始めていた。そりゃ5人じゃ無理よ。1人のコリアンと話して「You are good climber!」と言われた。ありがとう!グッバイコリアン。これで何の邪魔も無く登れるぜ。ここでホールバックを送るときに補助ロープを使わなかった為にホールバックが壁に追突し、アメリカ人の二の舞となる。水4Lが消失。
8P目:赤澤
ボルトラダーを直上し、一番上のリングで振り子。右のクラック(Stoveleg Crackと呼ばれ、昔の人が、ストーブの足をぶち込んで支点にしたと言われるクラック)に飛び移る。

振り子があるピッチは支点からテンションして降りた分をまた登らなければいけないので死ぬほど長く感じる。
9P目:赤澤
普通のC1のクラックを登って、久しぶりに良い足場のビレイ点へ。フリーだと5.8だが、重いガチャを背負っていて、アブミが邪魔なので、エイドじゃないとちと辛い。

10P目:高橋
長い。160ft
11P目:高橋
短い。40ft。ようやくDolt Towerに到着。まぁまぁよいビヴィだ。本当は今日中にエルキャプタワーに行きたかったが、コリアンとゴチャゴチャしたのもあって時間がなくなってしまった。明日CAMPⅣに行けば1日短縮になるからよしとしよう。夕食はα米とスープ。ワカメスープとねぎ塩スープが死ぬほど旨い。壁の中のビバークは久しぶりだ。

7/26
朝4時起床。α米とスープを食べ、がちゃの準備をして出発。今日は9ピッチこなさないとCAMPⅣに行けない。何としてもやってやる。
12P目:赤澤
テンショントラバースして、奥のスクイズチムニーから登る。ガチャをはずしていけば余裕でフリーで行けたのに、ガチャが邪魔で苦労した。朝一でチムニーは相変わらず辛い。

13P目:赤澤
フィストサイズのC1を登る。
14P目:赤澤
5.7なので、殆どフリーで登る。やはりフリーは速いぜ。エルキャプタワーに到着。めちゃめちゃ平らで快適なビヴィじゃねーか!あまりの快適さに僕はうんちをしてしまった。もちろんうんこセットにして持ち帰ります。
15P目:高橋
Texas Flakeというテキサスの形をしていると思われるフレークの右を行く。フレークの裏のチムニーが長く、プロテクションが取れないために、ひでさんは苦労していた。僕はひでさんがデポしたガチャ、そしてザックを背負ってチムニーの中を空中ユマーリングする羽目になり死ぬほど辛かった。ザックとガチャを途中荷揚げしてもらいフレークの頂点へ。すげぇとこだな…。
16P目:高橋
ボルトラダーからBoot Flakeという長靴の形をしたフレークの右を登る。僕はテキサスフレークの上にちょこんと座りながらビレイ
17P目:赤澤
有名なキングスイングのピッチである。ひでさんがGREAT ROOFをリードする予定なので、僕はキングスイングをやろうと思い、リードさせてもらう。Boot Flakeから15mくらい降りて、反動をつけて左のカンテを越えるらしいのだが、てんで届きそうにない…。かなり下だが、20cmくらいの棚がカンテに続いているのでそこまで下がる。ロープギリギリ降りたところで、壁の上を全速力で走り反動をつけて左の棚をつかむ!引き剥がされそうになりながら何とかカンテを超えてクラックにたどり着いた。まさにキングスイングである。この後、降りた分も登らなければならないので相当な長さを登り、ようやく解除。疲れたよ…。すぐ右上にひでさんがいるようだ。ホールバックをロープで送り、ひでさんも振り子のフォローの要領で到着。
18P目:高橋
小さいルーフの真下でピレイ点を取る為、空中ビレイとなり、ザイルが絡みまくる羽目になる。
19P目:高橋
振り子を交えつつ左にトラバースするピッチ。もちろんホールバックが引っかかりまくりフォローの僕は、振り子の処理・からまってダルマのようになったザイル・引っかかったホールバックと格闘し続け疲れ果てる。NOSEの中で最も疲れたピッチ。
20P目:赤澤
このピッチを終えればCAMPⅣだ。時間は夜の8時をまわり、夜間登攀となりそうなのでヘドラを持っていく。鳥がピーピーうるさいクラックを登り、特に問題なく到着。Poor bivyと書いてある通り傾いていて不快だ。今日は死ぬほど疲れたのでα米を作る気にもなれずクリフバー食べて就寝。ズルズル落ちるので熟睡できない。が、朝は一瞬で迎えることとなる。不思議だ。