7月31日〜8月1日

7月31日
朝レンジャーが来ることを考え、6時過ぎには撤収。朝飯だけもってバッパーを去り、ノースパインのベンチで朝食。8時に戻ってデービットにレンジャーが来たかどうか聞くが、NOとの返答。まだ来てないみたいだ。デービットと別れの挨拶をする。ずっとここに居るつもりと言うと、「hahaha!ムショ行きになるぜそりゃ!」みたいな事を言っていた。グッバイデービット。そして今、レンジャーがいつ来るかを確認するためひたすら張り込みである。昨日は20:30くらいに来た。レンジャーの見回り時間は決まっているか否か…。決まってるなら生活し易くなる。なんでこんな探偵みたいなことやってんだろう…。
結局レンジャーは来なかった。夜だけしか来ないようだ。今日はダラダラした休む。マウンテンショップにザイルを買いに行く。50mシングルロープは一種類しかなく、めちゃくちゃ安かった。109ドルである。これ以外のロープや登攀具も日本より全然安かった。キャメなんか56ドルくらいだった!明日は再びワシントンコラムサウスフェースに挑む予定。今度は荷揚げ無し。ラッペル用に9mmロープをバックロープとしてつけて
登る。7P目で下降予定。ロープがスタックしませんように。

8月1日
6:50起床〜7:15出発〜8:15登攀開始〜17:00下降開始〜20:10 Back Packer’s camp ground着

昨日の夜、レンジャーが来るのを待ち伏せしていると思わぬ方向からレンジャーが現れた。ここはバックパッカーだけが泊まれるとか、他のテントサイトに行けとか言っていた。「バックカントリー!」とか何回も言っていたがどーゆう意味だ?国へ帰れってことかな。ここバッパーでは8:45くらいに一日一回レンジャーが来るということはこれでわかった。時間さえ把握すればこっちのもんだ。これからの戦法としては、カリービレッジにあるフードボックスを2個確保し、その中に荷物を置き、クライミングなり何なりした後、夜テントとかだけ持ってバッパーに帰るという方法を用いる。
前回とリード、フォローを逆にして登る。
1P目:赤澤。フリーで結構いける。ひでさんのアドバイスできっちり左上。荷揚げ無しは楽だ。
2P目:高橋。
3P目:赤澤。ここもフリーでいける場面が多い。ひでさんのうんこはまだ臭い。ディナーレッジへ。ここまで4時間ちょい。
4P目:高橋。この前僕が落ちたピッチ。前回も風が強かったのだが今回はもっと強い。ハングの抜け口でひでさんがアブミを三つ使っていたが、まるで新鮮なサバに寄生していたアニサキスのようにひでさんに絡み付いている…。しかし問題なくリード。フォローはハングから右上にトラバースなのでプロテクションの回収が大変!何とか抜ける。
5P目:赤澤。ここではアブミの最上段に乗らないと上のクラックに届かない。恐る恐る体を上げ、ムー…っと覗き込みカムを決める。振り子トラバースは初体験。反動をつけ、左のクラックに飛びつく。意外に面白かった。
レンジャーが来る前に帰りたいので、ここでラッペルして帰ることにする。この後またもやロープがスタック。まず、3P目で結び目が引っかかり、ユマールで登り返して回収。次に2P目で上の支点からロープを抜いた後にスタックするというくそ面倒な事態が発生。これはもう、再び登るしかない。僕がリードする。早く帰りたいという欲求がそうさせたのか今までで最も速いスピードで登った。途中でスタックを解き、残置のフレンズを支点にしてラッペル。1P目は無事下降。その後、何とかレンジャーが来る前にバッパーのフードボックスから荷物を回収できた。カリービレッジに行き、フードボックスの中に荷物をぶち込み、鍵を掛け、シャワーを浴び、ベンチで怪しく自炊し、暗闇の中を歩いてバッパーへ帰り、テントを張って就寝。本当に下界ではこそこそ暮らすといった感じである。はぁ…やっと落ち着いて横になれる。今日もよく登った。おやすみなさい。明日はレストで明後日はついにハーフドームだ。ムニャムニャ……。