アレートぉ

もう一個書いちゃったやつあるんで載せときます。よし、これで書いた意味あんだろ。

天王岩
M4春日 M1赤澤

この頃オレはジムばっか一人で行きまくっていたので外の岩場に行きたくてしょうがなかった。一週間前くらいにジムで、小寺先生に「おまえはもうガンガン登れ」と言われていたので、天王岩に行くことにした。春日さん、かなまゆさん、濱田さんを誘ったのだが、かなまゆさんは花粉症で、濱田さんは風邪で行けないということだった。結局オレと春日さんで行くことにした。
 出発の日。武蔵五日市駅からバスでアプローチ。天王岩の周りはスギで完全包囲されていた。とりあえずその様子を携帯のカメラで撮ってかなまゆさんに送信しておく。生まれて一度も花粉症になったことのないオレは、そんなことは別に気に留めることも無く取り付きへ向かった(春日さんはまだ花粉症は発生していなかった。まだ・・・)。取り付きに着くと、天気のいい休日にも関わらずなぜか全く人がいない。1パーティーいたが俺らが来た直後に帰ってしまった。天王岩には我々二人だけである。よくわかんないけど、空いててラッキー!オレは心の中で喜んだ。
 準備をし、とりあえず下の岩場、右奥の5.8のルートをリードで登る。むむ・・・ぐぐっ・・・とてつもなくしょっぱい。ダメだ・・・。二本の5.8のルートに取り付いたが両方テンションのオンパレードであった・・・。やっぱジムとは違うな〜、と心底感じた。ジムとは違い外の岩場ではルートファインディングの力も必要だし、どのホールドとスタンスを使うべきかを見極める力も必要なのだ。これらの能力が絶対的に不足してる俺には、たとえ5.8といえど難しく感じたのであった。仕方ないので5.7の「花便り」に取り付く。これはさすがにオンサイトできた。が、別に嬉しくも無かった。春日さんはトップロープで登った。
 腹減ったので昼飯にする。夏合宿でひでさんがセレクトしたマ・マーのスパゲティーがめっちゃうまかったので、今日の昼飯はそれを見習った。スープはきのこ味。日陰である天王岩は肌寒かったので、このあったかいきのこスープスパはゲロうまかった。春日さんはそのうまさに昇天してた。メシを済ませたところで今回のメインである「クラックジョイ」5.9へと向かう。
 「クラックジョイ」は名前にはクラックと入ってるものの、実際はレイバックでガンガン登っていくかたちになる。プロテクションもボルトでとれるのでオレでもいけそうである。こいつをオンサイトできたらアツい!!そう考えると気合が入り、以前城山で見た小寺先生の真似をして、無口になり、くつ紐をぎゅっと結びなおした。あ「じゃあ、お願いします・・・」。か「おう、行ってこい!」と、登りはじめる。はじめのテラスまでは簡単でスイスイ行けた。核心はテラスからで、レイバックの連続である。テラスで心の準備をする。「よし!」まず縦クラックをレイバックで登る。次に横クラックをトラバース気味に行く。クラックに腕を入れるアームロックという技術を初めて使った。「ぁあ!!!」と吼えながら登っていくも、このトラバースの時点でパンプしてしまう。ラストに再び縦クラックを登るのだがすでにその力は残っていなかった・・・。あと少しのところでテンション。くそっ!!ちくしょう!!と、心の中で何度も叫んだ。結局1テン(一回テンションをかけて登る)で登れたものの、悔しさしか残らなかった。この後、春日さんがトップロープでテンションをかけながら登った。あと少しのところでオンサイトを逃したオレはすっかり凹んだ。このままで帰るわけにはいかない!そこで、せめて5.8のルートだけでもオンサイトしてから帰ろうと思った。
 さっき取り付いてないルートでよさげなルートを探す。なになに、「鼠小僧」5.8・・・・・ねずみ?・・・う〜ん、いけそうな気がする・・・(ぼくは山岳部員に、ごくたまにねずみ男と呼ばれる)。というわけで、取り付く。すると、なんと登り易いことであろう!まるで岩がオレを受け入れてくれるかのごとくスイスイ登ることができた。そして、オンサイト!いや〜よかった!「クラックジョイ」は惜しかったけど、5.8オンサイトという収穫をとりあえず得た俺は満足することができた。「クラックジョイ」・・・次は余裕で登ってやるからな!
 チャンチャンは御茶ノ水の沖縄居酒屋で花粉症のかなまゆさんと一緒にした。かなまゆさんが花粉症に効くという噴射型の薬を春日さんに貸してあげた。春日さんが鼻に噴射すると、突然咳と涙が止まらなくなり様態が急激に悪化した。その後、春日さんは一言もしゃべることができず部室のベッドに倒れて寝ちゃいました。かなまゆさんは、「ちがうよ〜!あら(た)しのせいじゃないよ〜!」みたいなことを言っていた。花粉症って大変なんだなぁ・・・・と思った一日でした。お疲れ様でした。

P.S. 今回我々以外のパーティーが全くいなかったのはおそらく花粉のせいだと思われます。よって、みなさん!花粉症の時期こそフリークライミングに行きましょう!

記:赤澤