暇だ

おおよそ山登りの範疇に入るものは岩壁登攀、フリークライミング、スポーツクライミング、雪稜、アイスクライミング、沢登り、山スキー、藪こぎから高所登山まで、何でもやってきた。
フリークライミングも、スキーも、釣りも山菜もキノコも、どれかひとつを目的にしていたら僕の登山は続かない。それらの要素は、山を楽しく快適に旅しながら、できるかぎり自分の力で登山を行うためのアイテムでしかない。旅に占める自分の割合をできるかぎり増やしたい。そんな思いがそれらのアイテムを増やしつづけようとする原動力になり、結果いろいろなことに手を染めてきた。
自分のもっている能力をすべて発揮できるような登山がしたい。サバイバル登山、冬の黒部、日高などの長期山行。総合力を発揮する場を求めると、ひとりでにピュアな大山塊に近づいていく。
服部文祥「サバイバル登山家」より(一部略)